203週目:チームと信頼
今週も忙しい。夏休みの合間でありながら、いくつも案件が佳境をむかえてきつつあり、下準備と交渉事が重なっている。
マネージャーとコンサルタント・専門家をチームアップして取り組んできたプロジェクトが、かなりまとまった成果を上げつつある。
とても良いことである一方、彼らの成果を最終的にディールにまとめていく、という責任に軽く眩暈を感じる。
メールとコールとストーリー作り、そしてマネージャーとの相談役というのが、自分の今の役回りである。
去年、新しいチーム体制を構築していた時から、いかにDelegateできるか、という問いを持ってきた。
コーチングなどを通して、自分の課題が「相手を信頼すること」であるというのは分かっていたが、実際のところ自分の中でこの課題の意味を咀嚼するのには、何か月も時間がかかった。
信頼というのは、友人関係のように、人を疑うかどうかではない。
仕事においては信頼とは、自分にも答えがないときに、相手に適切なガイダンスを与えつつ、最終的な結果を信じることを意味する。
あるいは、何が起こっても一緒に解決できると、相手と自分の両方を信じる前向きな姿勢と言い換えることもできよう。
もとより神経質な性格で、自分の仕事は不安でいっぱいになりながら手を尽くしていくタイプだっただけに、当初はマイクロマネジメントもしていたし、考え切るまでは意思決定も保留にしていた。
ビジネス上の自分の腹落ち感には自信があった半面、腹落ちしていない時は機能しないというのが、課題だったように思う。
今でも絶えず注意していて、まだまだ改善の余地がある。
こんな記事を書いているのは、今週いくつか印象的な出来事があったから。
まずはチームの成果が着実に見えてきたこと。メンバーが自律して出してくるオーガニックな成果、彼らのマネジメントの落ち着き、課題を自分で定義して解決しようとする姿勢など、良い意味で自分無しに回っていく感覚がある。
信頼していなかったのはメンバーの実力ではなく、最終責任者としての自分の能力・器量であったのだと、ハッとする瞬間があった。
言うべきことは言うし、やるべきことはやる。自分は自分なりにあくせくもがきながら、チームを信じて任せ、何が起きても冷静に対処する。
バックストップできる、して見せるという確たる覚悟を持たねばならない。
チームに見えていない世界観を見出し、自分に何ができるのか、危機感を持って自分を研ぎ澄ましていきたい。
最後に、ずっと一緒に仕事をしてきたCEOとの面談で、非常に本質的なフィードバックが返ってきた。
お互いに率直にフィードバックを交わし、難しい議論を散々してきたから、という内容で、こういう時に仕事に本気で打ち込んでいてよかったと感じる。
仕事を通じて試され、醸成された信頼関係は、人格的な理解を生む。
先のチームの成長も同じく、自分としても全力でぶつかっていきたい。
チームにも向き合った以上の意味がある仕事になるにはどうしたらいいのだろうか。
信頼のもたらすものの大きさを、上司とチームの両方から気づかされた一週間だった。