190週目:「やりやすいこと」の誘惑
この2年くらい、チームのモーメンタムに特に注意している。
いかにしてチームで成果を上げられるか、という問いに答えるためには、どんなときに成果が上がり、どんな時に問題が起こるのか、どうすればマネージャーはチームのパフォーマンスに効果的に(邪魔にならず)関与できるのか、肌感覚で理解する必要がある。
そのために本を読んだり、コーチングを受けたりしてきたわけだが、最終的には現場で実際に指揮をとってみるしかない。
自分でやりたい病から脱却し「チームをエンパワーする」ようになるにはどうすればよいのか、模索は続いている。
プロジェクトが固まって実行フェーズになってきたこともあり、実務レベルで自分の付加価値が一気になくなってきた。
プロジェクトマネジャーの方がはるかに詳しく、彼らを支える外部コンサルも超一流となってくると、全体観で先を読んで質問をするくらいしかできることがなくなってくる。
おそらく、次なる価値は遥か遠くを見て課題設定し、プロジェクトを立ち上げる準備をすること。
加えて、真逆にフィールドの状況に立ち返った微視的な課題設定と仕事づくり。
見えているものほど手を付けたくなるのだけれど、中途半端にかじっただけの自分が入っても邪魔になることが見えているので、「やりたいこと」や「やりやすいこと」ではなく「やるべきこと」に注力したい。
やるべきことを考えるのには時間がかかる。その時間を作り、価値をださなければ。
過去の仕事を振り返って、効果が高かった中長期施策は、①仕組化・システム化・明文化と②複雑な構造的課題のシンプルな整理である。
大きなプロジェクトの成功は当然重要だが、質の高い凝縮したアウトプットも資産性が高い。
悩ましい日々を過ごしている。
189週目:平常運転
188週目:Acumen Fellowに選出されました
新興国ソーシャルセクターの起業家・実務家向けの登竜門、Acumen Fellowに選出されました。
Acumenは、インパクト投資ファンドの先駆けとして知られていますが、近年は地域ごとに活躍する社会起業家や社会的事業の成長を支えるフェローとして選出しています。
資金こそ急速に集まるインパクト投資業界ですが、現場で資金を事業成長に変換するカタリストとなる人材は圧倒的に不足している現状は、世界のソーシャルセクターのボトルネックです。
だからこそ、ケニア国外や自分の専門外のフェロー達と学びながら、Komazaでの仕事の視野を広げていきたいと考えています。
今年のフェローでは、唯一の日本人かつアフリカではそもそもアジア人は自分一人。
楽しみな経験なので、またブログでも報告します。
187週目:脱作業化
今週は、先週のドバイ滞在で溜まってしまった仕事の消化から始まった。
もともと休暇で行く予定が、交渉事など長期間外せない仕事が重なってしまって、ずるずると仕事していたのだが、それでもまとまった量の作業をする余裕はなかった。
昔なら、ちょっと寝不足になれば済む程度だったはずなのに、今の業務では仕事時間を半分にするとチームとの議論やキャッチアップと外部コールに参加するだけで、時間がなくなってしまう。
会話は前に進むが僕のToDoだけが積み上がってしまう、という状況からスタートして4日かけて宿題を片付ける。
そんな中でもチームは着々と成長しているし、仕事は前進している。
ドバイにいた時にも感じたのだが、ひょっとすると僕はもはや作業を巻き取る必要がないのではないかと思い始めた。
手が動かせることはスタートアップにおいて何より重要だと常日頃から感じているのだけれど(手が動かせない中途半端な経営幹部というのは不健全)、緊急時や必要な時に手が動けばよいわけで、自分の気持ちのためだけに手触り感を持とうとしてはいないだろうか、自問している。
メンバーと同等か20-40%増の効率で同一の作業をするより、日々ハンズオンしているメンバーが考えることのできない領域を見つめ、長期・中期・短期の優先順位を明確にしたり、Out of Boxで必要な行動を考えたりする、本来の仕事の質をもっと高められるのではないか、と考える。
なんだかんだ手触りある作業は安心感があるのだが、次のフェーズに向けて虚心坦懐に見直したい。
186週目:ドバイ
先週の土曜日から1週間あまりドバイに滞在していた。
砂漠のど真ん中にオイルマネーで作り上げられたドバイで、気候変動について議論して、脱炭素が進んだ未来に中東はどう立ち振る舞うか議論するなどした。
— 熊平智伸@アフリカxインパクト投資 (@tombear1991) 2021年4月23日
コロナで忘れていたけれど、非日常の場所で非日常のメンバーで議論すると世界観が広がる。 pic.twitter.com/w6uChV7iSR
砂漠に都市を建てるという壮大な計画。
— 熊平智伸@アフリカxインパクト投資 (@tombear1991) 2021年4月24日
街づくりに強い意志を感じるし、資本の力を見せつけられた。 pic.twitter.com/1xx5FsnzR0
一番印象に残ったのが、中心街を散歩した時のこと。
数百メートル先の施設に移動するのにタクシーを使うのは気が引けたので、猛暑期でもないと歩いてみることにした。
これが、大失敗。
歩き出しこそ快調だったが、ひとたび日陰を出るとひどく暑い。しかも、日本のように蒸し暑くないので、汗をかいている実感なく水分を奪われていく不思議な感覚。
ビルとビルの間も、日本やアメリカよりもさらに広いので、すぐそこに見えた施設がやたらと遠い。
途中で後悔しても時すでに遅し。タクシーは主要道路上では停車できないので、歩いて戻るか、歩いて目的地までたどり着くかの2択。
そして極めつけは、歩行者を前提としない街づくり。ビルとビルの連絡通路はないし、そもそも地上階の入り口が少ないかわかりにくい場所にある。
車線数の多い道路を超えるのも一苦労、ビルに入るにももう一苦労。
スタバに駆け込んでアイスラテを飲まなかったら干物になるところだった。
笑い話はさておき、新興開発地区のお金のかかった感じと旧市街の対比など、足で踏んで肌で感じて考える経験が貴重だった。