Zeitgeist

ケニアのスタートアップで企業参謀。留学した後の話。

ハンズオンへのアプローチ

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新興国に限らず、なんだかプロジェクトがうまくいっていない場合に、自分で泥をかぶって手を動かして解決する場面はよくある。
状況を判断し、短い時間でどこにどう介入するかを理解する必要がある。
もちろん、理想的にはその状況をよく理解している人に話を聞いて、わかったことを淡々と実行するだけでよければ、それがベストだが、基本的にトラブっている案件というのはそういう「全体を理解して、打ち手まで理解している人」がいないことによって発生するので、期待できたものではない。
というわけで、今回はこうした状況への対応策について書いてみる。
 
基本的にハンズオンが有効な場面は、深刻度で分けて以下の3段階になる。
 

レベル1:分かっていることが実行できない

 
これが一番シンプル。要件を定義して自分で手を動かしてしまうなり、ほかにできる人をアサインする。手間を考えると、ちょっとくらい自分で勉強してできそうならキャッチアップして自己解決してしまうのが早い。人繰りを頼んだからと言ってその人ができるとは限らないし、かつその間の時間がもったいない。
 
あと、Capacity不足のプロジェクトあるあるが、ボトルネックが重層的に隠れていることで、実行リスクを解決した後にさらに深い問題が出てくることもしばしば。なので、そうした悪い予感を感じ取るためにも、ここはマネージャーがしっかり自己解決する意味あり。
 

レベル2:なんだかずるずる遅れている

 
打ち手ではなく、プロセスが課題になっている場合。ステークホルダーが多かったり、煩雑なプロエス自体が混迷を読んでいたりする。ここでのマネージャーの役回りは、通訳であり議事録とりでりカレンダーである。会議前にきちんと要点を整理し、できれば個別のすり合わせをしたうえで、時間軸と成果物の期待値を確定する。
 
そして、いったんコミットされても丸投げせずに、進捗を確認し、必要であれば多少自分の領域外でも手を動かす。要するにカレンダー管理とタスク管理でしかないわけだが、当たり前のことが当たり前に行われるというのは一般のビジネスにおいてまれであり、全工程を見渡してずれを把握し、その場でハンズオン解決していくことのバリューは計り知れない(最近はやりのチェンジマネジメントもその一種)。
 
この仕事の成否は、遅れているステークホルダーからいかに信頼を得られるかに尽きるので、こちらも最初は特に献身的に解決に関与する姿勢を見せないと、相手からもそれなりの扱いを受けてしまう。ハンズオン側は基本的なことでつまらなく感じがちだが、そこで粘り強く成果に最も近いレバーを引き続けることが成功への近道になる。
 
あるあるとして、ずるずる遅れるスケジュール感覚に慣れて、そもそも恒常的な納期遅れを問題認識できなくなることがあり、これが割と深刻。
 

レベル3:何が何だかわからない

 
重度が高い、ビジョン不明、現在地不明、打つ手なしな本当の炎上案件。とはいえ、そもそものゴールは何か、現状は何か、そして乖離は何か?をステークホルダーインタビューで簡単に整理したうえで、特に緊急性の高いものをまず優先順位付けし、あとは先の2つの手法を組み合わせて片付けていく。わからない場合には、ビジョンを見失ってやる気を失ったチームにわかりやすいメッセージを投げ続ける必要あり、一枚物で何が起こっているのかを説明し、混乱の原因と最も大切なことを単指示的に示していく。このときのコツはゴールへの回帰であり、何を判断するにもゴールとの紐づけを示していく。
 
途中、さまざまな問いを投げかけられて、リーダーシップを問われる機会も多いので、最も重要なこととそれ以外でバッサリ切れる重要性基準を持っておくと便利。最終的な仕上げはさておき、正常軌道に戻るまでは、決然として「自分は理解しているからついてこい」感を出す必要あり。必要かどうかという根源的な議論は、最低限のラインを超えるまでは全面凍結し、超重要とそれ以外で仕事を区切る必要あり。
 
あと、これはターンアラウンドあるあるで、なるべく早いタイミングで小さな成功例を作れると、巻き込みが捗る。