宇沢弘文「社会的共通資本」
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現在の社会制度の危機は、その背景となっている経済学的な思想とそれを知らず知らずのうちに体現している政策によって生み出されている。
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コモンズをはじめとする、複雑でエンジニアリング的に変化を作り出しにくいものについて、純工業社会的な合理主義を当てはめること自体が、環境破壊をはじめとする社会基盤の根本的な危機になりつつあり、調和ある全体としての社会を壊している。
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社会というもの効率的資源分配をはじめとする経済学の前提のみで考えるべきではなく、経済学的な「最適化」が果たして社会の有りようとして最適なのかは、各分野の専門家も含めて議論されねばならない。経済学にその分野が合わせるのではなく、その分野の答えに経済学的整合性を持たせるべきである。
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農業であれば、工業と同じ単位生産性の議論からは農村が持つべき多元的な価値が見落とされ、結果的に農業全体の衰退が構造化してしまった。工業化・都市化・自動車化した社会は、人間を自由で解放された存在に果たしてしているのか、疑問が残る。教育についても、新自由主義的な制度変更が少なからず学問と教育の場のありようを変えてしまった。医療も、本来は医療上の課題として考えられるべき問題を、経済学的合理性で解決しようとするには無理がある。環境についていえば、自然の持つストックとしての性質に加え工業製品と対照的にコントロール困難な回復といった部分が無視される中で、社会的共通資本が本来受けるべきFiduciaryな管理が行われないまま、破壊が進んでいる。
Komaza 71週目:Watamu → Kilifi → Nairobi → Kilifi
Komaza 70週目:Hard Things対処法
1. 最悪の状況を想定する:
事業の失敗やファンドレイズの失敗、人選の失敗などありとあらゆる不安を極大化した時のシナリオがどうなるのか。パニックになるような状況は、大抵の場合、複数の要素が絡み合うことで不安感が増大しているので、その中で実際に致命的になりうるものを把握する。
2. 課題を一通り吐き出す:
炎上案件のほとんどは、意外とこれをやらないがために課題がイマイチはっきりしないまま、くすぶるようにダメージが広がっている。当事者全員と個別・全体で話をして、状況を把握することなしに、ややこしい問題の解決は望めない。痛みもうまく使って、課題を顕在化させ、同時にステークホルダーに共通認識を持たせる。
3. 共通認識の形成と目線の設定:
課題に意識を集中させるとみんな防衛本能が働いて、他責思考になりがちなので、こういう時こそ「あるべき姿」やビジョンを提示して目線を上げてあげる必要がある。とはいえ、あるべき姿の提示には少なからずあるべき打ち手のイメージも内在しているものなので、やるときには自分の中で目星をつけねばならず、これには集団・個別をうまく使い分けたインタビューと状況分析が効果的。ちなみに、解決策はいきなり提示してもはねつけられることがあるので、解決に向けた焦りを痛みも含めて感じてもらうように流れを作り、そこに助け舟を出す形での誘導がマキャベリアン的だが有効になることもある。
4. さっさと腹をくくる:
全部を同時に解決することは早々に諦める。まずは一番厳しい状況を生んでいる要素を解消して、直近の危機を脱することを目標にする。そして、次は構造的な課題を生んでいるものに取り組む。細かい課題がまとわりついている場合は、手間を考慮して即効性のあるものだけ適宜対応する。
5. 根本的な原因を考えて対処する:
Hard Thingsはスタートアップでは避けては通れないものだと思う。ただ、その原因のほとんどは突き詰めればどっかで読んだ、聞いたことのある、人類史上の普遍的失敗パターンになっていることが多い(その証拠にいわゆるHard Thingsの発端の多くは人的エラーや過失によるものだ)。なので、こうした徴候を見逃さず、何かが起こった後もその問題を生んだ普遍的な組織の課題を内省すべきである。
6. 粘る:
基本的に上に書いたことを、解決するまでやり続ける。緊急度が下がっていくと、徐々に問題からチームの意識が離れていくことがしばしばあるが、喉元過ぎて熱さを忘れてもいけない。
Komaza 69週目:ソーシャルセクター必読ブログリスト
ソーシャルセクター
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TaejunomicsーGojo& Co.慎泰俊さんのブログ。大学を卒業して海外MBAの勉強をしている時から執筆が始まっており、大学院での勉強、モルガン・スタンレー時代、ユニゾン時代を通じて、本にもなっているソーシャルファイナンスから長距離マラソンの話までが綴られている。このブログは一番最初のもので、その後はTumbler(The Minimalist Program)を経て、Noteになっている。個人的には大学院時代の勉強法の投稿とかは、本になっていない内容でよく参考にしている。
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NPO法人クロスフィールズ 小沼大地のブログーその名の通り、クロスフィールズ小沼大地さんのブログ。内容は、ブログの副題にある「Stay Passionate!」そのもので、学生時代からマッキンゼー時代、そしてクロスフィールズ立ち上げ後の今に至るまで、ソーシャルセクターと向き合いながら、グローバルに情報収拾と発信をし続けるというもの。青年海外協力隊時代のブログは別な仕切りになっているけれど、10年選手で一つのトピックについて書き続けられるというのはすごいと思う。特に、活動の振り返りになりがちな個人ブログでありながら、定期的に業界のニュースやホットトピックの考察があるあたり、Social Sector Nerdとしての矜持を感じてしまう。
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Like a rolling stone ー現ミスターミニット社長の迫俊亮さんのブログ。高校卒業後偏差値38の勉強嫌い学生が、語学留学、UCLA進学を経て、三菱商事、マザーハウス、そして現職で挑戦していく過程がぎっしり詰まっている。このブログの醍醐味は、まだ何者でもなく暗中模索している時期からブログが始まっていることで、綺麗事ではない生の葛藤が随所に滲み出る。僕自身、迫さんのブログを読んで、本当にブログを書き続ける意義を知った気がする。迫さんのユニークなキャリアはこの記事を参照されたし。
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三輪開人さんのNoteーe-Education代表の三輪開人さんのブログ。三輪さんはこのNoteの前にもe-Educationのメディアである「トジョウエンジン」を運営されていて、ブログやメディア・SNS運用では日本のソーシャルセクターで随一の方。個人で書かれていたラインブログは見れなくなってしまっているようだが、ブロガーというより編集者として読者に向けたコンテンツを作り続ける姿勢には頭が下がる。
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Life is EducationーTeach For Japan創設者の松田悠介さんのブログ。元々は、学校の体育の先生時代にハーバード教育大学院受験のプロセスを綴ったブログが有名になり、このブログは大学院進学後に日本に帰ってTeach For Japan設立に動き出すタイミングから始まる。
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Learning?ーゴールドマン、Quipper、Globis、ハーバード教育学大学院を経て、今はニューヨークのAcumenで仕事をされている松川倫子さんのブログ。タイトルにあるLearningのみならず、海外で仕事をする日本人として直面するイベントや、留学、キャリア設計など、読みどころ満載。
番外編
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シリコンバレーによろしくー日本人として数少ないシリコンバレー起業家、内藤聡さんのブログ。有名どころのアーリー投資家から出資を受けたことで有名な同氏が、ベイエリアに移り住んで始めた情報収集・発信活動がまとめられている。新しいMediumのブログには起業や資金調達の経緯もまとめられていて、刺激になる。
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ハーバード留学記ーライフネット生命の創業者岩瀬大輔さんが、PEファンドのリップルウッドからハーバードビジネススクールに進学した9月からの2年余りを記録したブログ。今となってはライフネット生命での活動が有名だけれど、岩瀬さんは日本人5人目のベイカースカラーとして注目された、MBA留学ブログの大スター。キャリアについての記事は学生時代に何度も読んだ記憶がある。
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ブラウンの熊たちーアイビーリーグの一校ブラウン大学の学部生たちによる留学ブログ。複数の学生がローテーションで記事を投稿する形式になっていて、「なんで留学」のような真面目な内容から、パーティーの内容まで、ありのままを毎日更新している。すでにお気付きの方もいると思うが、そうです、僕も執筆者の一人です(黒歴史)。