気候変動スタートアップ日記

ケニアのスタートアップで企業参謀をしていましたが、気候変動スタートアップを創業するためスタンフォードにいます。米ブラウン大→三菱商事→ケニア。

Komaza 35週目:チームが全員揃いました!

アップロードしたつもりが、ドラフト保存されていたことに今更気づいたので、遅れて更新です!2週間前なので、時制がずれますが、そのまま掲載します!
 
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昨日ケニアに到着した新しいチームメンバーをドキドキしながら迎える日がやってきてしまった。
彼は、僕が総合商社のファンド投資部隊で連日悪戦苦闘していた時からの戦友だ。
日本で初めての国内インフラ投資ファンドの立ち上げやインドを中心にする新興国インフラファンドでの投資実務経験もあり、いわゆる日系大企業らしくないガツガツしたプロ根性で残業飯を食べながらキャリアについて語りあう仲だった。
週末にはCFAの教材を持ち寄って勉強会をしたり、お互いの仕事の悩みを相談したりした。
 
そんな関係だったので、僕がいざ退職してケニアに行く決断をした時のことも、彼はリアルタイムで知っていた。
国際機関や開発銀行などと迷いながら、最後にケニアのNGOに決めることになったのも、実はといえばソーシャルファイナンスをどうやったらキャリアにできるのか、ファンド開発をしたり、新しいアセットクラスを作るにはどうしたらいいのか、彼と熱く語り合ったことが影響していると思う。
そんな彼と最後に直接会ったのは、去年9月の最終出社日、同期が開いてくれた歓送会だった。
商社マン生活最後の華金だからと、六本木のクラブで散々騒ぎ、締めのラーメンを西麻布の赤のれんで一緒に食べたのが最後。
 
数ヶ月後、チャットをしていたら、彼がKomazaに興味を持ってくれているという。
正直びっくりしたし、最初は「あくまで興味」と思っていたから、実際に僕がチームを作ることになって採用募集をかけ、本当に彼のアプリケーションを目にした時は、信じられない気分だった。
それからは、何度もラインで話をりしながら、お互いの期待値をすり合わせていった。
とはいえ、元々は毎日のようにキャリアやファイナンスについて語り合った仲、気づいたら彼が本当にジョインしてくれることになっていた。
会社名と関係なく尊敬する仲間と仕事ができることは嬉しいし、そんな仲間から信じてもらえたことにいささかの責任も感じる。
もう一人のケニア人メンバーに加えて、自分より優秀なチームメンバーばかりが来てくれて、まとめきれるのだろうかという不安も正直あるけれど、それ以上にこれからの冒険が楽しみで仕方がない。
明日からも、頑張るぞ。
 
 

Komaza 37週目:

今週も投資家向けの資料作成やリサーチを継続する。加速度的に仕事が増えているのだけれど、優秀なチームメンバーの頑張りでなんとか回っている。

週末からはごく短期間の日本帰国。

久しぶりの日本は懐かしくて、楽しみにしていたのだけれど、去年から走り続けてきた疲れがどっと出て、寝込んでしまっている。

ちゃんと休めることもまたしばらくないので、今回はアポを入れずに休養に専念したい。

短いけれど今回はこの辺で。

Komaza 36週目:Learning for Allの同期と再会

いつも仕事のことばかり投稿しているので、今週は仕事の番外編。
このところ週末も仕事をずっとしている生活だったので、休み方を忘れてしまいそうになる。
Teach For Japan(当時はLearning for Allという名前だった)で同じ時期に教師をしていた仲間がキリフィに遊びにきてくれた。
当時のLearning for Allのプログラムは週末の学習支援が中心だったので、彼女は外資系金融機関でフルタイムで仕事をしながら、週末に参加するという超ハードワークだった。
その後、ウガンダに交換留学していたこともある彼女は、セネガルや南スーダンを経て今は南アフリカにいて、今回出張の合間の週末に寄ってくれた。
田舎暮らしをしていると、仕事以外で人とあう機会も少ないので、彼女の友達のケニア人プログラマーとロボットサイエンティストとも仲良くなって、いい刺激をもらう。
 
アメリカの大学を卒業して今年で丸3年が経つわけだけど、3−5年は若手プロフェッショナルが次の行き先に移動する時期なので、大学時代の仲間と思いがけないところで再会したりすることも増えてきた。
グローバル化という漠然とした言葉よりも、Facebookなどでお互いに連絡を取りながら数年会っていない友人とこうやって会える事実がすごいと思う。しかも、アフリカの田舎町で。
 
そんなことはさておき、久しぶりの戦友との再会が嬉しくて、土日はゆっくりビーチを歩いたり、地元のアーティストが始めたバーに行ったり、朝からホテルでステーキを食べたり、週末らしいことをして過ごした。
たまにはこんな週末もいい。
 
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f:id:tombear1991:20180609120528j:plainサイザル麻のプランテーションにある友人宅で、仕事する土曜日。

 

 

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燃えるような夕日と空と海の青が映える(がこの後警察に捕まる笑)

 

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初めて起きられた朝5:50の日の出。誰もいないビーチの散歩が最高すぎる。

 

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近くのホテルで朝からステーキを食べ、カフェのWiFiを使ってモリモリ仕事をする。

 

以上、とっても充実した週末でした!

Komaza 34週目:

ファンドレイズは身体的にも精神的にも辛い。
いろいろな角度から質問が飛んでくるのを、データとエビデンスで返し続ける毎日。
大企業ならちゃんとデータも揃っているところ、オペレーションも日進月歩の状況で出てきたデータをそのまま使えることなんて皆無。
一つ一つ定義をひもときながら、8020で冷徹に取捨選択して回答を作っていく。
VCのようなストーリー投資に加えて、開発業界特有のアカデミックな議論も入ってくるので、論文や各種機関のレポートを勉強する時間も必要になる。
まるでコーポレートファイナンス・事業戦略千本ノック状態なので、ひいひい言いながらも勉強になっている実感がある。
一回乗り越えてしまえば、次回は楽になるのだろうけど、それにしても心がすり減るので、うまく休息と気分転換を取り入れないといけない。
 
来週からは待ちかねていた仲間がチームにやってくる、実務家としてバリバリ仕事をするだけでなく、いいチームを作ることにも頭を使いたい。
いままでは一人で仕事して、一人で燃え尽きればいい、気ままなスタイルだったのも転換期にさしかかっている。
マネジメント経験は皆無なので、ここはあっさり負けを認めて、会社で数百人を束ねるマネジメントのプロにメンタリングをお願いした。
大人数をマネージするというのは、少数精鋭のチームマネジメントとは違っているが、仕組み化とデリゲーションはどんなチームでもパフォーマンスの鍵になるはずだ。
 
余談だけど、ファンドレイズの醍醐味はCEOと一緒にいく投資家面談(CEOがクレイジーなストーリーを語り、僕が投資家目線で補足するスタイル)だ。
一緒に移動する時間にビジネスについて語ったり、投資家に向けてCEOが語るビジョンを経営計画としていかに形にできるか考えたり、良質なインプットの時間になっている。
そんな中で、最近のハイライトだったのが、「DDは形式的な手続きもあってめんどくさいよ」と投資家に忠告されたCEOが言った“A good thing shouldn’t fail because of heavy documentation”という言葉。
正直、しょうもないDD事項もあり本当にめんどくさいんだけど、ドキュメンに限らず、面倒さの塊に気持ちで負けてはゴールは達成できないのだと、気を取り直して少しでも無駄を組織の学びに変えられるように頭を使い、手を動かし続けたいと思う。

Komaza 33週目:本格化する投資家DD

弊社は現在絶賛ファンドレイズ中。
投資家DDに向けたデータルーム作りをひたすらしながら面談もこなしていく。
リスクやらファイナンスやら、オペレーションの論点やらをまとめて整理する文章や簡易モデル、プレゼンを淡々と作成していく。
それに加えて、開発系ドナーへのレポーティングや、グラント関連のデリバリー(新規事業検討資料の提出)なども重なっていて、まさに一刻一秒を無駄にできない状況が続いている。
もともと、プレッシャーは大の苦手だった自分だけれど、火事場の馬鹿力でギリギリのタイムラインに合わせて優先順位をつけ、なんとか全て形にすることができた(今のところである。。。汗)。
 
これまでは経営企画やファイナンスを中心に担当してきた分、現場からの生のインプットを定性的・定量的に分析していく農家への経済的インパクトの試算や各種リスクに対する対応策のメモなどは、とてもいい勉強になっている。
もちろん、本来的にこういう仕事は分析したり、投資家報告で終わらせるべきものではなく、課題解決までフォローすべきものなので、ファンドレイズが落ち着いた暁にはタスクフォース的な関わりもできたらいいなと思っている。
 
あと3週間はこうした作業を続けていくことになるので、現場の知識、適切な論点設定、わかりやすい資料の作成、基本的な足腰を鍛える時期としたい。
若いうちに仕事の足腰を鍛えるべき、とよく言うけれど、結局若手の間であっても本当の「下積み」に近いデータ分析や資料の素案作成といった作業をできる期間は限られているので、面倒くさがらずに貴重な機会だと思って仕事に向き合おうと思う。
これからチームを育てていく中で、自分はもっぱら全体の構成やマネジメントに特化することになるのだから、僕に残された時間は思ったより短い。
 
そういえば、来週からは三菱商事時代の同期で、ファンド立上げや新興国投資もバリバリやっていた仲間がチームに加わる。
ケニア人バンカーと合わせて3人体制になるので、マネジメントの勉強も追いついていきたい。
自分で成長や課題を定義できない人はベンチャーに向いていないと以前書いた気がするが、CEOと毎日直接コミュニケーションをとり、コーポレートファイナンス部門の設立自体を企画した僕に見えている景色と同じものが、彼らに最初から見えていると期待するのは間違いだと思う。
最後は自主的な学習意欲だとしても、適切な方向付けやマイルストーン設定は応援していきたいし、チームメンバーの成功を通じて、目標を達成できるようになりたい。