気候変動スタートアップ日記

ケニアのスタートアップで企業参謀をしていましたが、気候変動スタートアップを創業するためスタンフォードにいます。米ブラウン大→三菱商事→ケニア。

歓送会の季節

このところ会社内でのローテーションや転職などで、身近な人を送り出すことが多い。

毎週のように何がしかの歓送会があるというのは多少異常なのかもしれないけれど、商社において人が世界中のあらゆる事業を手がける限り、こうした異動は避けられないし、かつて同じチームで仕事をした信頼ある戦友とまたどこかで会えるのではないかと思えるのなら、そこまで悪いことではないのかもしれない。

社内のネットワークが世界のビジネスネットワークともつながる世界だけに、縁を大切にしたいと改めて思った次第。

死地

死地をも掴む経験は得難いものだ。

我が身を大事に思えば思うほど、人は努力し、自らの生命を賭した一瞬から離れていく。

栄達を目指せば目指すほど、絶頂からの転落こそあれ、我が身を滅ぼしかねない挑戦から人は離れていく。

僕は未だ我が身の近くに死人を見ない。

死屍累々の分野に身を置けども、目の前で人の生死を見ない。

なんという怠惰だろうか。

未だ挑戦が足りないのだと、本物を目の当たり見て、自覚する。

修行期間

日本におけるマイクロファイナンス投資の第一人者(というよりほぼ唯一のビジネス実践者)の慎泰俊氏のブログや独学で建築を修めて世界で評価される安藤忠雄氏の回顧録など、自分がこれはと感じる先達が若い時に刺激を受けたと激賞してやまない本がある。

しかも、アマゾンKindleで無料で全巻入手できる。

電車の中やちょっとした隙間時間の気分転換に読んでいるのだが、これは歴史小説というよりも、古典なのだなとつくづく思う。

 

宮本武蔵 02 地の巻

宮本武蔵 02 地の巻

 

 

Samuel Ullman "Youth"

安藤忠雄の本の「私の履歴書」の中にSamuel Ullman (1840-1924)というアメリカの詩人の詩が出てきて、非常に印象的なので備忘録代わりに。現地では無名だったこの詩人の詩をどこから出てきたのか、日本人が先に取り上げて里帰りをしたのだとか。アラバマ州には博物館も立てられているらしい。

 

"YOUTH"

Samuel Ullman

Youth is not a time of life; it is a state of mind; it is not a matter of rosy cheeks, red lips and supple knees; it is a matter of the will, a quality of the imagination, a vigor of the emotions; it is the freshness of the deep springs of life.

Youth means a temperamental predominance of courage over timidity of the appetite, for adventure over the love of ease. This often exists in a man of sixty more than a boy of twenty. Nobody grows old merely by a number of years. We grow old by deserting our ideals.

Years may wrinkle the skin, but to give up enthusiasm wrinkles the soul. Worry, fear, self-distrust bows the heart and turns the spirit back to dust.

Whether sixty or sixteen, there is in every human being's heart the lure of wonder, the unfailing child-like appetite of what's next, and the joy of the game of living. In the center of your heart and my heart there is a wireless station; so long as it receives messages of beauty, hope, cheer, courage and power from men and from the infinite, so long are you young.

When the aerials are down, and your spirit is covered with snows of cynicism and the ice of pessimism, then you are grown old, even at twenty, but as long as your aerials are up, to catch the waves of optimism, there is hope you may die young at eighty.

混在するアイデンティティ

今日は会社の仕事として日本のマイクロファイナンスの第一人者の方にお会いする機会があって、ホクホクしていたのだが、ふと思いついた質問が収奪型資本主義ではないかとの指摘を受けて、少なからず衝撃を受けている。

昨日の記事に引き続き、今日も社会事業をキャリアとするときに考えねばならないパズルについてずっと考えている。

自分が「これが未来だ!」と信じている世界観の中に、思わぬ固定観念が潜んでいる。

別にそれ自体は必ずしも悪いことではないんだが、高度に練り上げられたストーリーを携えて事業をやってみて、結局は表層的な固定観念で自分がそれをやっていたと気づくことほど空しいことはない。

週末に踏み込んで考えてみないといけないなと思う。

アメリカの大学で学んだこと、世界を動かすNPOや、戦略コンサル、留学という行為、そうした過去の経験のみならず、自分のアイデンティティそのものも今の僕のストーリーを支配している。

もともとは自分がストーリーの作者であったはずなのに、ストーリーが自分の作者担ってしまっているのではないか。

そう考えると夜も眠れない。