気候変動スタートアップ日記

ケニアのスタートアップで企業参謀をしていましたが、気候変動スタートアップを創業するためスタンフォードにいます。米ブラウン大→三菱商事→ケニア。

外国人として暮らす

ラッキーなことに、僕は日本を離れていても、日本人であるということで差別されたり、不利な目にあったりしたことはほとんどない(単に鈍感で気付いていないだけかもしれないが。。。)。
もちろん、途上国で日本人は金持ちなんだからとボラれそうになる、中国の歴史博物館で日中戦争について中国語で議論しないといけなくなる、なんてこともあったけれど、あくまでも一過性のイベントで、そのコミュニティの中で常に差別されていると感じることはあまりなかった。
なので、自分の親世代が80年代に留学して貿易摩擦でバッシングにあったとか、フランスに留学している知り合いがアジア人という理由で街中で野次を飛ばされたとかいう話を聞いてもイマイチ現実味がない感じ。
 
そんな自分にとって人生初のショックになったのが、今回のケニア生活。
街中を歩いていると、「チーナ!」(中国人)と囃されて、子どもだけでなくいい年した大人まで「チャンチャン・チョンチョン」と中国語のマネらしきものをしてくる。
 
街で知らない人にあって挨拶もせずに「〜人!」と叫ぶなんてどうかしていると思いながら、無視を決め込んできた。
無視していても、仕事で疲れている時など、酷暑の中外を歩いていてこういう光景に度々遭遇すると、かなりストレスがたまる。
中国人と一緒なんて嫌だ、という感情ではなくて、日本人であることをきちんと認知してもらえないこと、しかもそれが剥き出しの好奇心の対象になっていることが苛立たしくて、最初の1ヶ月ぐらいはそれも原因であまり外出もしなくなっていた。
しまいには、家のガードに声をかけられるのさえ面倒になっていたくらいなので、珍しく弱り切っていたんだと思う。
 
とはいえ、「無知を憎みて人を憎みず」が海外生活のキモなので、日本人にとってアフリカ=「黒人」程度の理解でしかないのと同じようなものだと思い直して、近所のガキンチョ集団にスワヒリ語で「チナ(中国人)じゃなくてジャパナ(日本人)だ」と教え始めたのがついこの間。
そして、今日ケニアに来て2ヶ月にしてようやく近所の子どもたちからmchina(中国人) ではなくmjapana(日本人)と呼んでもらえるようになった。
大したことじゃないのに、なんだか突破感がある。
 
日本にいた時の自分が読んだら、きっとどうしてこんな感傷的な記事を書こうとしているのか理解できなかっただろうな。
そういう経験ができるのも、思い切って現場に飛び込んでいった収穫なのかもしれない。 
 
 
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Komaza Fellowship 8週目

ファンドレイズ関係の急対応でドタバタした一週間だった。

アメリカが感謝祭の時期ということで、現地にいるマネジメントの担当業務が降ってきたり、来週〆切のイノベーション系のコンペの申請書を書き上げたり、ずっと積み残しになっていた案件をフォローしたり、あっという間に過ぎていった。

仕事もペース上がってきている反面、思うように現場に足を運べていないのが難点。

今週・来週とリサーチが山積み、そのあとはゲスト対応に海外出張と怒涛のごとく年末に突っ込んでいく。

日本の冬は懐かしくて、帰りたい気持ちも山々なんだけれど、このクリスマス休暇はケニアの国立公園をノープランで旅する予定。

 

余談:ケニアには感謝祭はないのだけれど、会社にいるアメリカ人の同僚たちは、「何にもしないなんてありえない!」とばかりに急遽平日ど真ん中にイベントを企画。

近くの村から七面鳥を調達して、近くのレストランのピザ釜でローストするという計画は実現しなかったものの、ローストチキンにマッシュドポテト、クリームコーンなどなどお馴染みのメニューを再現して一晩中楽しんだ。

こっちに来ると、バターやチーズなど、普段手に入らない「高級品」もここぞとばかりに使って、久しぶりにお腹いっぱい食べた。

食生活も単調になってきたところで、パイもピザもなんでも作れることが分かったので、料理の方も真剣にやっていきたい。

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仕事後に買い出しに出かけて、3時間ほどで一通りの料理が完成。グレービーソースまで完璧な出来で、平日夜なのに深夜まで盛り上がってしまった。

 

 

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シンプルな事業観

スタートアップのファイナンス担当として仕事をしていると、ビジネスは複雑だ、という当たり前のことを毎日嫌という程実感させられる。
 
簡単なモデル一つ作るのでも変動要因は数多あり、しかもスタートアップだけに固まった数字も限られている。
投資家からすれば「全部知りたい」のだろうけれども、こちら側から責任を持って示せる数字には限りがあり、無限に存在しうる資料をいかに構造化して作っていくかが、プロとしての力量を試す場になる。
 
一方、こうしたコミュニケーションの世界とは別に、事業経営という観点も存在する。
そもそもこのビジネスはなんなのか?という問いへの理解なしには、いかなる施策もまもならない。
全体を俯瞰するマクロな視点とミクロな繊細さを持つためにも、思考軸にできるフレームワークができたらいいのにな、と思っていた時に見つけたのがこのアマゾンのブログ記事
 
 
非常にシンプルな図に、アマゾンのビジネス構造と成功要因、そして加速的成長のためのKPIが示されている。
個別のKPI設定やプロセスデザインだけでなく、誰でもすぐにわかる形でビジネスを表現するのも経営企画の役割なので、同じようなメッシュで事業を考えてみたいと思う。
ベンチャーであればこそ、それぞれの部門が自分たちの事業の成長やゴール達成にしゃかりきになっている分、全体がどのようにシステムとして機能しているのかは見えづらくなる。
そして、成長すればするほど、事業が小規模だった時の全体感を知らない専門職の人が各部門に入社してくる。
事業が大きくなることは、企業のビジョン実現の必須条件なので、スピードを遅くすることはできないが、絶えず会社のあり方をシンプルな事業観として共有し続ける必要がある。
 
このチャート(正式には、Fly Wheel)自体は「エクセレント・カンパニー」や"Good to Great"で有名なジム・コリンズが提唱したモデルで、最近流行りのシステム思考などとも近い(自己強化型ループというやつです)。
こういう図があれば、個別のチームが目の前の仕事をやりつつも、自分が他の部門や会社全体を動かす実感を持ってもらえるし、経営者としても個別の論点を全体観を持って眺めることができる。
冬休みにKomazaのFly Wheelも作ってみようかな。

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Komaza Fellowship 7週目

今週は、仕事以上に精神的・肉体的にしんどい一週間だった。
南半球で季節が夏に向かっていくなか、気温と湿度がジリジリ上昇して、寝付きにくい夜が続き、7時間ベットにいても疲れが取れない状況で、追い打ちをかけるようにつけっぱなしで寝た扇風機のせいで鼻風邪まで引いてしまった。
先週仕事の成果が出た安心で疲れが出たのかもしれないが、終始気が落ち着かず、日課の座禅もイライラして座りきれなくなってしまう。
今週は突発事態対応もあり、仕事もそれなりに忙しかったのだが、それ以上に気持ちがどうもせわしなく、気づくと漠然とした不安で胸がいっぱいになった。
プレッシャーで吐き気がしたり、考えすぎで人と話せなくなったり、そういうことはこれまでにも何度もあったことなんだけれど、仕事が順調に走り出しているこのタイミングでスランプに落ちるのは正直意外だ。
 
キャリア戦略上の選択であり、自分で決めたことで、全くケニアのソーシャル・エンタープライズでバリバリ仕事をすることへの不満や後悔はないんだけれど、退職からケニア入りまで半年近く気持ちの休みなく突き進んできた疲れもあるのではないかと思う。
人生初の途上国長期滞在、しかも大都市外ということで、慣れないことや負荷のかかるイベント(停電、断水、強盗などなど)もあり、緊張感だけで乗り切ってきた分の消耗なのだとしたら、これから仕事に本腰を入れていくための大切な転換点にということなる。
 
なんのために仕事をするのか、プロフェッショナルとしてどう成長するのか、自分自身の事業についてどう考えるのか、今後会社に対してどんな施策を打ち出していくのか、ありとあらゆる大きな問いを走りながら組み立てていくのが職業人生なのだろうけど、その転換点で今まで以上にはっきりしたビジョンを描き直すタイミングに来たのかもしれない。
今週末はカフェで美味しくて甘いデザートを食べながらしっかり棚卸ししたい。
 

 

 

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Komaza Fellowship 6週目

ケニアにやってきて一ヶ月半が経ってしまった。
今週はイベント目白押しの一週間で、オフィスにゲストが来て彼らに事業やファイナンスの説明をしたり、入社した時から取り組んでいるプロジェクトの中間発表があったりと、今回のフェローシップ前半の佳境だったような気がする。
ストラクチャード・ファイナンスだけでも相応にチャレンジングな中で、そこに開発銀行の保証やインパクト投資家のお金を入れるとなると、可能性は無限に広がっていく。
企業の資金ニーズに応じて、どのような座組みにするのか、そして新しいモデルをいかにパイロットし、スケールさせていくのか、ということはまだまだ頭の使いようがある。
投資家とは一通り年内に会話を開始してしまおうと考えており、ケニアでは12月中旬にはクリスマスムードになってしまうらしく、残り一ヶ月、スピードを上げて仕事をしたい。
 
今週末は仕事仲間達とWatamuという近場のリゾート地に行ってきた。
ケニアにある幾つものビーチリゾートの中でも、とりわけ美しいのがこのWatamuで、沿岸部は海全体が国立自然公園になっている。
ボートを借りて沖合でシュノーケリングしていると、何もかも忘れられて、いい気分転換になった。
ケニア沿岸部はイタリア人の避暑地になっていて、イタリア人が経営するジェラートやレストランも観光地価格ながら楽しめる。
選挙のゴタゴタも一通り終わったことだし、週末はあちこち足を伸ばしてみたい。