スタートアップの醍醐味は、自分の一挙手一投足が、そのまま事業の一部分を形作っていくことだ。
祈るような気持ちで採用したメンバーが活躍して、チームの想像を超える結果が生まれるのも素晴らしいけれど、自分の手で物事を前に進めていく充実感は、他に代えがたいものがある。
ちょうど一年前、スタートアップの前段階のような試みを繰り返していた時に、起業するきっかけになった農業組合との出会いがあった。
相手のイベントに勝手に突撃して、キーパーソンを説得して、徹夜で提案して、というその場での勢いで無から有を生み出す。
似たようなプロセスを大なり小なり繰り返すことで事業は形作られていく。
今年の前半は、様々な模索を繰り返しながら、自分たちが適応や農業、水といった新興テーマでなぜ求められる存在になり、未来の中に生きられるのか、という抽象的な部分を考えることが多かったように思う。
今からは、改めて具体の積み重ねに全力投球したい。営業しかり、会社づくりしかり、スタートアップを自分で経営する以上に、生々しく自分の得手不得手を痛感する機会はない。
前職以上に生のフィードバックを体に受けるのは正直言ってしんどいが、そこで歯を食いしばって正々堂々と前に進めるかが、大切になる。
限界を全方位から突き付けられたときに残るものがその人の本分だと思う。
だからこそ、そこから逃げてはならない。
うまくいっていること、いっていないこと、まっすぐに見つめながら仕事に向き合いたい。
奇跡を起こすのは自分の強みが発揮される時かもしれないが、事業が前に進むのはその過程で、得手も不得手もなりふりかまわずやっている時だけなのだ。