気候変動スタートアップ日記

ケニアのスタートアップで企業参謀をしていましたが、気候変動スタートアップを創業するためスタンフォードにいます。米ブラウン大→三菱商事→ケニア。

231-234週目:チームが変わるとき、会社が変わるとき

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多忙をブログ更新をサボる理由にしてはいけないと思いつつも、しっかりサボってしまった。。。

チームのオフサイトや新しい案件の立ち上げ、既存案件のボトルネック解消など、挙げればきりがない。

何より、チーム単位でまとまった優先順位のアップデートをしたり、チーム構成を改めて見直す作業をしていると、常に頭のどこかでシミュレーションを回しているような感じで、半分の脳みそでアウトプットを綱渡りで出し続けながら、もう半分の脳みそで考え続けるような生活になってしまう。

ちょっとした記録でさえもおっくうだし、さらに言えば、不確実な変数がたくさん同時進行する場合、なにがしかまとまった考えを持とうという意志そのものが自由な思考の妨げとなるので、思考をまとめるという行為そのものがCounterproductiveであり、抵抗がある。

また、マネジメントとして思考を深めるということは色々な人と激しく議論することを意味するわけで、中途半端なアイデアを出しずらいタイミングでもある。

仕事の本質は、語られない出来事にこそある、というのは当にこのことで、色々な出来事を味わいながら、頭で可能性を処理していくというだけでいっぱいいっぱいだった。

印象的な会話があり、ハッとさせられるフィードバックがあり、緊張感のある瞬間があり、良い経験をさせてもらっているわけだが、その過程は決して明らかにできない。

How Sawsages are madeという言葉通りである。

個別の判断の瞬間の感情や思考は言葉で捉え切れないし、短期にたくさんの判断を重ねて未来を調整していくときには感情と思考のブレ幅こそが鍵なので、こじんまり整理するような思考はむしろ本業の障害になってしまう。

今の自分のフェーズにおいて、成長したかと問うのは無意味だ。

何かをつかみえたか、悟りえたか、果たして変え得たのか、と言うあたりが妥当な問いだと思う。

 

 オフサイト

一昨年位からやるやる詐欺していたが、コロナも落ち着いたので実行。

メンバーの一人がConservatoryでCFOをしていたツテで、マサイマラに移動して数日間みっちり議論する。

チームの集合知が、リーダーの個人知を超える瞬間は、本当に感動する。不安さなんて全くない。ただ、ああ、この時が来たんだな、という感じ。

アジェンダもチームに任せ、情報のギャップだけを埋めて、議論が止まった時だけ話をする。

ときどき突飛な問いを投げてみたりする。それでも返ってくる答えと議論の力強さに圧倒された。

メンバーの個性や経験が遺憾なく発揮されているにも関わらず、チームとしてのダイナミクスが議論を牽引する。

人に先んじて考えを進め、筋道を見極めてから議論するタイプの自分にはつらくもあるが、流れに身を任せて、プロセスを信じる。

チームへの信頼が各人の意見への信頼につながるとは限らない。

でも、信頼するチームがまとまった情報をもとに正しいプロセスを経て導いた答えには説得力がある。

チームそのものが一種のプロセスになっているような有機的な感覚を忘れないようにしたい。

  

三井物産・Sobratoからの資金調達

昨年末に取り組んでいたディールをついにお披露目することができた。

日本では三井物産というと総合商社の雄というイメージが強いが、New Forestsという世界トップクラスの森林ファンドから世界各地の木材プランテーションに至るまで森林領域でグローバルにみても特異なポートフォリオを展開し、近年はカーボンクレジット市場にも進出する業界のユニークプレーヤーである。

せっかく日本人がいるのだから、とJETROさんからお声がけ頂いて日本語のインタビュー記事を書いて頂いたのがきっかけで、数年越しに実現した案件で、僕自身とても感慨深い。

日本人であることとは関係なく、Komazaのように既存業界の刷新をもくろむベンチャーにとって、業界のプレーヤーと戦略的な関係を築くことは大切だ。

NGO時代のドナー調達から、スタートアップとしてのインパクト投資家からの調達、そして開発銀行のFMO、グローバル機関投資家のAXAとステップを踏みながら辺境から這い上がってきたベンチャーの向かう先として、業界の本流にいるIndustrial Partnerの存在は欠かせない。

ケニアからアフリカ、ひいてはアジア含むグローバル展開の可能性が開けるという意味で、とても嬉しいディールだった。

komaza.com

 

新しいフェーズへの取り組み
チームが成熟する中で、僕自身の立ち位置や貢献のありかたも変わっていく。
マネージャー層から新たにリーダーを抜擢したり、各人の既存案件を超えた役割定義を行っていった。