気候変動スタートアップ日記

ケニアのスタートアップで企業参謀をしていましたが、気候変動スタートアップを創業するためスタンフォードにいます。米ブラウン大→三菱商事→ケニア。

172週目:キャリアについて思うこと

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今週は仕事も本格化しつつある中、何人か刺激的な出会い・再会があった。

大学時代に教師をしていたLearning for AllというNPOで同じチームで、その後、開発学の修士を取り、Post Confilict/Emergency Supportの第一線で働いている人。

戦略コンサル・MBAを経て、文字通り世界を股にかけている人。

開発とビジネスの両方の経験を活かし、アフリカのビジネスの第一線で働いている人。

など、図らずして豪華なキャッチアップが続いた。

 

学生時代はキャリアを頭でっかちに考えて、予測したり、分析したりしていて、社会人の大先輩から「リニアにキャリアを考えようとするな」とよく注意されていた。

生意気でとがっていた当時は「考えない行動に意味はない」くらいに思って聞き流していたのだけれど、ようやく意味が分かってきた気がする。

 

新社会人の数年は、どこにいってもガムシャラに食らいついて仕事をしないといけないが、一定の修業期間を経ると、今度は自分なりのアウトプットを求められたり、特異な軸を持つ必要が出てくる。

そうなると、単なるガンバリズムが途端に機能しなくなる。大学時代からCompetitiveなOverachieverだった人で苦戦する典型的なタイプだ。

彼らは、マイルストーンやベンチマークを超えることだけを目指して立ち止まった時に、自分のはかなさ・無力感に耐え切れず、プレッシャーで意思決定をしてしまう。

 

偶発的に見えるつながりを拾ったり、人間としての幅を持たせたり、という自由度の高い意思決定を流れに身を任せながらするのは、一見「考えない行動」でありそうで、実は絶妙なコントロールを要求される。

キャリアにまったく後悔がない人は少ないかもしれないが、自分の得手不得手や好みと現実の折り合いをつけて行くバランス感覚は、新卒イケイケの時にはほとんど意識したことがなかった。

翻って、今週会った人々を見ると、経歴の見事さ以上に、人としての個性や魅力が際立っている。

グローバルなブランドを背負ってなお、個人としての魅力が先立つというのは、すごいことだと思う。

制約と可能性を理解して、思い切って決断する力。大変な時にも遊び心を忘れない余裕。見習うべきことが多い。

 

自分の場合は、思い切ってグローバルブランドを捨て、ローカルの個別具体的経験を重視してキャリアを選んできた。

思考と計算で設計通りに進めてきたところから、どうしたら人間として面白くなっていけるのか、考えてみたい。

仕事云々というよりも、一つの人生としての充実、がカギになるような気がしている。