気候変動スタートアップ日記

ケニアのスタートアップで企業参謀をしていましたが、気候変動スタートアップを創業するためスタンフォードにいます。米ブラウン大→三菱商事→ケニア。

Komaza 161-163週目:町火消からの脱却

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この2週間をほぼKilifiにいるチームと過ごして、週末にナイロビに戻り、月曜日にミーティングをしてまたKilifi。

当初は数週間おきに拠点を行き来する予定が、突発的なイベントですっかり振り回されている。

Kilifiはすっかり夏らしくなってきて、それなりに暑い。

 

先週からは新しいシニアマネージャーが入ってきて、旗艦プロジェクトの一つを丸々お願いすべく、日々ミーティングを入れている。

リモートワークでも十分に稼働するチームであっても、やはり対面で相談したりホワイトボードの前で侃侃諤諤の議論をすると、格段に生産性が高まる。

個別の戦闘力を統合していく作業は、対面でスケッチしながらの方が確実にやりやすい。

「WFHでも大丈夫」と「WFHの方が効率的」は全くニュアンスが違うのだと改めて認識した。

 

一か月ほど前に、このブログを書いたときはすべてのプロジェクトを半ば自分でやろうとして、途方もない量の仕事に忙殺されていた。

自分が常に先頭に立って指揮をとり、町火消しのように炎上している課題に突っ込んでいく、よく言えばハンズオン、実際のところ専制型リーダーシップである。

状況が緊迫しているWartime CFOとしては教科書的なアプローチであるものの、チームの育成や才能を生かすという観点で、専制型リーダーシップには限界がある。

そもそも9月ごろから、ハンズオンですべての案件を把握し、事務を処理できるだけの能力がないことがはっきりしてきて、これはダメだと観念して優秀なチームメンバーをそろえ、彼らに実務のほとんどを任せる方式に切り替えることにした。

幸いなことに、募集要項を出してもいないのに、ロンドンのBig 4やナイロビの投資銀行を経験した優秀な候補がレファレンスで上がってきて、気づいたらチームが出来上がっていた(弊チーム、常在戦場ならぬ常在ファンドレイズの精神が染みついており、いろんなところで案件や人材が獲得されがち。ただ経営的には、採用計画はもう少し早く着手しておくべきであった)。

 

チームが出来上がると、チームが自分がどうあるべきかを教えてくれるようになる。

Quality Controlに使っていた時間を、ディスカッションに使えるようになる。

これをやってくださいではなく、How can I help you?から会話が始まる。

「新しい領域を定義して切り開き、優れたメンバーを採用し、メンバーが成功できるように支援する」という当たり前のサイクルを当たり前に実践できるか。

まだまだ自分は未熟だなと痛感している。