Komaza 77週目:ビジネスの原則を辺境で通せるか
日本帰国からフィンランド出張を終えて、帰ってきた初週なので何かと慌ただしい。
資金調達の波もまたやってきているので、うれしい悲鳴だ。
あちこちで寄せては帰す波のように引き合いがあるので、それを全力で打ち返していく。
まだまだチームとしてのキャパシティを引き延ばす余地もあるので、これからは少しチームの環境育成含め粘りをつけていきたい。
出張の飛行機の中や夜寝る前のベッドで、コンサル・経営の世界でおなじみの「三枝三部作」を読む。
初めて読んだのは大学生の時で、当時はフレームワークや考え方ばかりに目が行っていたのと対照的に、今は登場人物の言葉遣い、一挙手一投足、チームとの線の引き方など、もっと細かな部分にいちいち感動した。
今自分が関わっている仕事は、どちらかというと社会的・環境的インパクトxアフリカxスタートアップという辺境領域の掛け合わせ。
資金調達にしても、普段のやりとりにしてもいちいち特殊性を突き付けられることが多い。
こうして考えてみると、ビジネスの根幹、仕事の優れた進め方には、特殊な環境でも通じる型があるのだと改めて思った。
先進国の優秀な人材が集まるクリーンなビジネス環境であれば、ビジネス・ファイナンスの原理原則は共通言語になる。
そういう状況では、同じ土俵・同じ言語でコミュニケーションができる。
ただ、もう一方が同じ言葉を使わない場合、判断軸が異なっている場合、いかにビジネス・ファイナンスとしてのロジックをこちら側で通しながら、相手との落としどころを作れるかが大切になる。
ビジネスの王道からすれば、異常なことばかりの今の仕事を、落ち着き払って的確に判断・処理できるようになることが本物への近道だと思う。
常識はずれなことも日常茶飯事であったとしても、「なってない」という批判でレッテル張りに逃げるのではなく、常に原因あるいは改善の余地を自分に求めていくしか、この業界を変えることはできないのではないか。
道は遼遠である。
追記:
ブログを書いて一晩考えたんだけど、そもそもビジネスの付加価値付けはAbnormalをNormalにそしてExtraordinaryにしていく作業なので、「異常な環境」で仕事をすることこそ、むしろビジネスパーソンとしては正常な喜ぶべきことなんだろう。
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