もう終わりは見えている。なのになかなかそれが来てくれず、思いの外もどかしい。
今頃になって、書くのが怖くなる。世に自分の著したものを問うことが無言のプレッシャーになる。
根拠のないまったく不条理な恐怖で、ふと気づいてはバカバカしくなる。
ここまできたら、自分の努力を裏切らないこと、書けることを精一杯、拙い言葉でもなんでもぶつけるしかない。
自分が折れた瞬間に敗北は決まる。戦うべきは自分。世間でも、評価でもない。
もはや小手先の戦略を弄する時期はすぎている。その戦略をいかに全うするかが問題だ。
折れることなく、尽きることなく、慌てることなく、一歩一歩進んでいくのみ。
このめんどくささこそが、価値なのだと信じて。
最後まで、この我が身ひとつのみを信じて、論文をもって世に応えたい。