ケニアスタートアップ日記

ケニアのスタートアップで企業参謀。米ブラウン大→三菱商事→ケニア。

論考

Komaza 72週目:炎上案件を楽しむ

炎上案件は、最高だと思う。 スリルやプレッシャーもさることながら、ソフト・ハードの技術を駆使しながら、最短で制約を乗り越える訓練として、ベストだからだ。 つい最近も別の部門のプロジェクトの緊急支援要請が来て(もちろん、定常業務の上に乗っかる…

Komaza 69週目:ソーシャルセクター必読ブログリスト

学生時代からブログを始めて、気がつくともう8年目になる。 書く方については人生のフェーズや仕事の忙しさによって波はあったけれど、読む方は一貫して大好きで、10年近く続くブログであっても、大好きな作家の全集を読むような気持ちで完読することもある…

Komaza 61週目:Noの意味

投資家と向き合いながら、会社の事業について説明する仕事も1年が過ぎた。 いくつもの感動的なYesをもらい、一方でそれよりもはるかに多くのNoをもらった。 営業をしたことのある人なら、もっと詳しいのだろうけれど、Yesは一種類(投資します!)しかないの…

Komaza 45週目:ソーシャルxベンチャーxケニアで苦労したことTop10

数ヶ月かけてきた戦略の仕事が週末でようやくひと段落。日本にいる友人から、「ブログ見てるといつも楽しそう、ベンチャーは忖度とか悩みとかがなくて羨ましい」というコメントがきたのですが、書いていないだけでもちろんしんんどいです笑 日本のベンチャー…

考えることをやめる

考えることを僕がやめたら、何が起こるのだろう。 感受性を最大まで高めて、ありとあらゆる兆候を感じ取ろうとしてピリピリしながら勉強や仕事に向き合ってきた。 同時に、自分のいる場所や役割を理詰めで考え、戦略的に正しい判断を突き詰めながら、自分な…

Komaza 30週目:金融機能をスタートアップに

今週は、久しぶりに淡々とした一週間。 先週からジョインしてくれた、ケニア人の同僚の力もあって、徐々に落ち着いて仕事ができるようになってきた。 今まではほぼ自分だけで仕事を丸抱えして、その場の判断で優先順位をつけて、泥沼にはまりながら作業をし…

スタートアップ転職の向き不向き

ここ数週間は週末のほとんどを中長期のキャリアについて考えることに時間を使っている。 大企業のように社内制度が整っておらず、プロフェッショナルファームのようにトレーニングや学習のステップが定式化されていないので、自分でいかに勘所を掴んで、集中…

やりたいことのある新社会人へ:3年で会社を辞めるために、入社前にできること

日本では桜が咲いて、卒業シーズン真っ只中、ということで、4月から新社会人になる方向けの投稿です。 新社会人に会社を辞める方法論を贈るのはどうなのかと言われそうですが、日経新聞などでも3年で退職する若手が増えていることが取り上げられる昨今、新…

Komaza 22週目:進路相談への3つのアプローチ

今週はスライドをひたすら書いていただけで、面白いことがないのでキャリアのネタを。 ここ数年、採用活動や後輩の就活相談などで大学生・社会人数年目くらいの人とスカイプをする機会が定期的にある。 「日本の中高→アメリカの大学→日本の総合商社→ケニアの…

パブリック・スピーキングで注意すべき3つのこと  (質疑応答編)

プレゼン能力は金融でもビジネスでも、絶対的に求められる能力なので、先週のフランクフルトでのプレゼンを振り返りながら、大きく3つのカテゴリーで注意点を確認したい。 読者の方にも多少なりとも参考になれば幸いだ。 各国国際機関と大手ドナーと大手金…

人生初の途上国生活3ヶ月目で見えてきた3つのこと

この前、日本にいる友人とスカイプをしていたら、「初途上国生活で何か心境の変化はあった?」と聞かれたのだけど、改めて考えてみると当初の「何が起こるかわからないからとりあえず全方位警戒」というフェーズは早くも抜け出しているような気がする。 せっ…

ケニアのスタートアップでも活きる商社スキルとは?

今週はちょうど入社2ヶ月目ということで、上司(CEO)からのリビューがあり、無事に希望していたポジションに昇進が決まった(というか提案した業務とタイトルをやらせてもらえる)。 タイトルそのままですが、ちょうどいい節目なので、ベンチャー経験ゼロ…

シンプルな事業観

スタートアップのファイナンス担当として仕事をしていると、ビジネスは複雑だ、という当たり前のことを毎日嫌という程実感させられる。 簡単なモデル一つ作るのでも変動要因は数多あり、しかもスタートアップだけに固まった数字も限られている。 投資家から…

「一人一業」

我が家には家訓というか、個々人が自由に生きる上での指針となるコア・コンピタンシーみたいなものがある。 直近であれば”Learn or Die”(学ぶか死ぬか)だとか、「信用」だとか、「本質」だとかが、価値観を示す共通言語体系になっているのだけれど、ただひと…

プロボノを引き受ける時に考えるべきこと

先日、Intelligenceが運営する大手転職サイトのDODAが主催する、ソーシャルセクターの転職・プロボノセミナーに参加してきた。 ついつい人助けをしたいという「善意」が先行しがちで、なおかつ本業との兼ね合いから実行が甘くなるリスクを抱えるプロボノを、…

社会事業がロジックモデルを使う意味

内閣府が主催している社会的インパクト評価イニシアチブの評価者育成プログラムに支援者として参加して、ロジックモデルについて勉強してきたので、感想を簡単にシェアしたい。 ※1:このプログラムの参加者は公募で選ばれた全国のNPO、財団、CSR関係者、企…

組合のナゾ

入社から1年過ぎた頃から、仕事で「これぞ日本企業!」的なイベントに遭遇する機会がめっきり減っていたのだけれど、今日は久しぶりに新ネタを発見。 いわゆる「労働組合」なるものの委員に選ばれて、会議中ずっとこの「日本的」と言われる組織の中の組織に…

商社流宴会術:参加者の確定からレストラン手配まで

僕が今在籍している商社を始め、日本企業には若者に求められる「基本動作」なるものがあるらしい。 要は、下っ端仕事をきちんとこなせるようになれば仕事を任せる、ということで、入社直後は会議室のセッティングやら飲み会手配などを「業務以上に業務と思え…

Investment Thesis

ファンドが投資家候補と面談するときに説明するときにもっとも重要になるものの一つに、Investment Thesisがある。 新しい投資商品を開発するとき、どんなアセットクラスに、どのような形で、どれくらいの期間投資し、いくらぐらい儲かるのかを、モデルなど…

社会起業が解決する9つの壁

先週は「社会起業10の戦略」をテーマに、ソーシャルアントレプレナーがよく用いる戦術を1週間かけて解説した。 今回は、こうした戦略がどのような状況下で役立つのか、9つの事例を参考に考えたい。 ①排他的な社会制度がある 政治的、文化的、経済的な違…

戦術:つながりを強化する/市場を創る/コスト構造を変える

今日は社会起業10戦略の最終回! これまで紹介した戦略はこちら: ①戦術:社会問題をビジネスで解決する ②戦術:集める/まとめる ③戦術:戦術:価値を上げる/お金を作る/製品・サービスを広める ④戦術:新製品をつくる/金融インフラとつなげる ⑧マーケ…

戦術:新製品をつくる/金融インフラとつなげる

今日は社会起業家の戦術シリーズ第3回! ⑥新製品の開発 市場が求める新製品/サービスの開発は、特に発展途上国で有効な戦術だ。 洗濯用洗剤を例に、考えてみよう。 自動車が普及していてほとんどの買い物客が自動車を使い、大きな洗濯機で大量に洗濯して広…

戦術:価値を上げる/お金を作る/製品・サービスを広める

昨日の投稿に続いて、今日は10ある“Design Principles”の③から⑤までを解説したい。 いずれも、より日本に暮らす我々の生活になじみの深い戦略であり、同時に貧困解決や公共サービスを行渡らせる重要な武器である。 ※1980年の発足以来、アショカは優れ…

戦術:集める/まとめる

1980年の発足以来、アショカは優れた社会起業家を「アショカ・フェロー」として認定し、世界最大規模のネットワークを始めとする支援活動を展開してきた。 過去34年間にフェローに選ばれたのは3000人ほどで、アショカSFSはこの中からビジネスの手…

戦術:社会問題をビジネスで解決する

先週は、インパクト・インベストメント(Impact Investing)特集ということで、ソーシャルファイナンスで今一番熱い分野の概要と将来性について扱った。 社会起業が今後ますます盛んになる中で、資金調達を支える金融インフラの充実は喫緊の課題と言える。 …

【最終回】未来への仮説:インパクト・インベストメント

今回はインパクト・インベストメント特集最終回! 過去の投稿はこちら↓ ① “Private Capital, Public Good” ②政治とインパクト・インベストメント ③Impact Investingはただの慈善なのか? ④課題は見えないリターン ここまで投稿を読むと、やはりインパクト・…

課題は見えないリターン

昨日は、インパクト・インベストメントのもつ長期的な慈善以上のメリットについて言及した。 というわけで、今日は長期的なリターンを見据えた投資を行う上で、しばしば最大の課題となる投資対効果の測定について考えてみよう。 社会に投資するリターンは何…

Impact Investingはただの慈善なのか?

Impact Investingを語るときに、忘れてはならないのは、Impact Investingの投資は長期的には社会を通して自分に還ってくるというシステム思考の視点だ。 これは、社会全体への富の再分配と、高所得層からの税収を使って社会資本を積み上げていくことは社会の…

ミッションとビジョンとインターン

これまで2週間半仕事をしていて、思うことがあったので、ありのままに書いてみようと思う。NPOでも社会起業でもいい、組織とミッションについての話だ。 アショカのホームページには、この組織の存在する目的がこのように記されている。 Vision: To advance…

政治とインパクト・インベストメント

昨日の投稿では、インパクト・インベストメントがいかに社会起業家をとりまくインフラ創りに貢献しているかについて書いた。(読んでない人はこちら!) 今日は少し角度を変えて、どうしてインパクト・インベストメントと社会起業を支えるエコシステムに政治…