気候変動スタートアップ日記

ケニアのスタートアップで企業参謀をしていましたが、気候変動スタートアップを創業するためスタンフォードにいます。米ブラウン大→三菱商事→ケニア。

インパクト投資

Komaza 93・94週目:ファンドレイズの「推敲」

またしても2週分。 欧州出張のフォローアップ以降、10以上の会話が並行して進んで、文字通り忙殺されている。 並行して、DDのためのリサーチやリーガルの整理、ドナーによる監査などを進めつつ、ナイロビへの短期出張もこなす。 いっぱい書きたいことはある…

Komaza 90・91・92週目:ヨーロッパ投資家面談など

本当に忙しかった。3週間ブログをすっぽかしたのは、Komazaに来て始めてじゃないだろうか。 前職の同期から、生存確認のメールまで来てしまった。大丈夫です。生きてます。 一週間ずつ振り返り。 まず、90週目。 この週は、月末クロージングに向けて進めてい…

Komaza 89週目:

今週は、大詰めになっていた森林モデリングのプロジェクトと事業の財務モデルのアップデートをオフィスにこもってやり続ける。 手を動かす部分の大半は、外部のコンサルや社内チームが実働してくれているので、自分は全体像をStreamlineしていく作業に集中す…

Komaza 86・87週目:アフリカxインパクト投資業界の課題とアプローチ

ブログで愚痴を書くのは、現実世界と文章の上の二重に疲れるので、基本的にやらないことにしている。 ただ、少なからず”What a misery!”とか”This is a f*cking sh*t show!"とか"Go f**k yourself"とか叫びそうになり(というか叫んでしまっている)ながらや…

Komaza 79週目:FAOでのプレゼン

今週は月曜日から水曜日までローマ出張、そこからナイロビ出張、という移動の多い一週間だった。 (FAOはムッソリーニ時代に植民地省が置かれていた建物で、目の前はチルコ・マッシモとコロッセウム、後ろにはカラカラ大浴場という絶景を眺めながら、屋上の…

Komaza 78週目:Principles of Impact Investing

いつもKomazaでお世話になっている創業初期からの投資家Jorisが、LinkedInで面白い投稿をしていた。 インパクト投資と呼ばれるアセットクラスは、2000年代から少しずつ成長が始まり、GIINの調査によると2018年には総額25兆円近いAUMを持つ一大セクターになり…

Komaza 28週目:グラント・ファイナンスについて

毎日新しい発見があるソーシャル・エンタープライズでのファイナンスの仕事。 最近、公共性の高い大規模なグラントを調達したので、その時の経験について書いてみたい。 ファンド関係のドキュメンテーションや子会社管理は前職で馴染みがあったものの、ドナ…

お金の話

今日はお金について。 宿舎からオフィスまでは、約2キロほど。普段は片道50円ほどのバイクタクシーで通勤している。 こっちに住んでしばらくした時に出会ったジョセフという兄ちゃんをいわばお抱え的に雇っていて、早朝オフィスに向かう時はいつも彼のバ…

開発の世界への第一歩(終)

すっかり間が空いてしまったものの、ようやくプロジェクトがほぼ完結したので、その後の経過をご報告。 前回と前々回の投稿も参考まで。 ・木・金:水曜日のコンサルテーションが無事終了したことを受けて、残りの論点を潰しにかかる。追加のレポート読み込…

開発の世界への第一歩(続)

前回の記事の続編。ようやく本番の会議もひと段落ついたので、 振り返り。 金曜日:引き続き、開発銀行・ファンド、政府機関との面談。同国の政策と主要なプログラムについては把握できつつある。行き先機関のプログラムは予習するようにしているが、1−2年が…

開発の世界への第一歩

金融や農業の分野でたまたまご縁をいただき、ある国際機関のプロジェクトにオブザーバーとして参加している。 日曜日の夜の便で現地入り、月曜日から気付けばあっという間に木曜日になってしまった。 ビジネス・金融・先進国NPOぐらいしかリテラシーない自分…

プロボノを引き受ける時に考えるべきこと

先日、Intelligenceが運営する大手転職サイトのDODAが主催する、ソーシャルセクターの転職・プロボノセミナーに参加してきた。 ついつい人助けをしたいという「善意」が先行しがちで、なおかつ本業との兼ね合いから実行が甘くなるリスクを抱えるプロボノを、…

社会事業がロジックモデルを使う意味

内閣府が主催している社会的インパクト評価イニシアチブの評価者育成プログラムに支援者として参加して、ロジックモデルについて勉強してきたので、感想を簡単にシェアしたい。 ※1:このプログラムの参加者は公募で選ばれた全国のNPO、財団、CSR関係者、企…

Investment Thesis

ファンドが投資家候補と面談するときに説明するときにもっとも重要になるものの一つに、Investment Thesisがある。 新しい投資商品を開発するとき、どんなアセットクラスに、どのような形で、どれくらいの期間投資し、いくらぐらい儲かるのかを、モデルなど…

今日本からできること

昨日までの一週間連続投稿では、ちょうど僕がインターンとして勉強している内容を盛りだくさんで書いてきた。 数年来の僕のブログ読者であり、帰国しては語り合う友人から、「理論はいいから、今日本にいる自分でもできることはないの?」というお題をもらっ…

【最終回】未来への仮説:インパクト・インベストメント

今回はインパクト・インベストメント特集最終回! 過去の投稿はこちら↓ ① “Private Capital, Public Good” ②政治とインパクト・インベストメント ③Impact Investingはただの慈善なのか? ④課題は見えないリターン ここまで投稿を読むと、やはりインパクト・…

課題は見えないリターン

昨日は、インパクト・インベストメントのもつ長期的な慈善以上のメリットについて言及した。 というわけで、今日は長期的なリターンを見据えた投資を行う上で、しばしば最大の課題となる投資対効果の測定について考えてみよう。 社会に投資するリターンは何…

Impact Investingはただの慈善なのか?

Impact Investingを語るときに、忘れてはならないのは、Impact Investingの投資は長期的には社会を通して自分に還ってくるというシステム思考の視点だ。 これは、社会全体への富の再分配と、高所得層からの税収を使って社会資本を積み上げていくことは社会の…

政治とインパクト・インベストメント

昨日の投稿では、インパクト・インベストメントがいかに社会起業家をとりまくインフラ創りに貢献しているかについて書いた。(読んでない人はこちら!) 今日は少し角度を変えて、どうしてインパクト・インベストメントと社会起業を支えるエコシステムに政治…

“Private Capital, Public Good”

ソーシャルアントレプレナーシップとはあまり関係ない投稿が続いてしまったので、今週はImpact Investing をテーマに、連載を続けてみる。 先週の水曜日のこと、アショカでインターンしているMBA生と職員として働いている弁護士と3人で、“Private Capital, …