ケニアスタートアップ日記

ケニアのスタートアップで企業参謀。米ブラウン大→三菱商事→ケニア。。

Komaza 78週目:Principles of Impact Investing

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いつもKomazaでお世話になっている創業初期からの投資家Jorisが、LinkedInで面白い投稿をしていた。

 

インパクト投資と呼ばれるアセットクラスは、2000年代から少しずつ成長が始まり、GIINの調査によると2018年には総額25兆円近いAUMを持つ一大セクターになりつつある。

さらにすごいのは、成長率で、2017年のAUMが12兆円程度だったことから、一年でアセットクラスが倍増するという驚異的なスピードで伸びている。

最近では、SDGsか気候変動関係で、これまでソーシャルセクターとは縁遠かった民間企業も新興国やBOP市場の観点で進出してきているし、かつてはソーシャル・ファイナンスの一大成功例と言われたマイクロファイナンスもフィンテックの一環としてクレジットカード会社やテック企業などが投資するようになっている。

こうした潮流をふまえ、新しい投資家やこれからインパクト投資をキャリアにしたい人の参考になると思うので、紹介してみたい。

 

Jorisによると、インパクト投資家がとるべき態度・アクションは5つに集約される。

 

(1) make sure you make a difference (possibly by being different); 

>意訳:インパクト投資家は一般の金融投資家が取れないリスクを取りに行くことを目的にしている。それこそがAdditionalityになるのだから、起業家にとって適切なタイミング、方法で、(アーリーステージであれば)将来の事業仮説検証ができる形で投資をすべき。

 

(2) remember that things take time in East Africa; 

>意訳:何をするにも時間がかかる。比較的きちんとした国の、まともな業界の有望なスタートアップでさえも投資回収に20年近い時間がかかることがある。10年未満のファンドは正直厳しい。

 

(3) accept that great implementation – always –  beats a great plan (or app); 

>意訳:実行段階で色々な障壁が出てくるのが東アフリカ。実行の部分を軽視してはいけない。

 

(4) be ready to suffer (a little); 

>意訳:時間もかかるしハードシングスはあるから気持ちの準備をしておく。

 

(5) be clear-eyed about the trade-off between impact and financial returns. 

>意訳:社会的リターンと経済的リターンのトレードオフを理解しておく。もちろん、経済的リターンをあきらめてよいわけではないが、先に述べたインパクト投資家の「金融投資家にできないリスクをとる」という定義からしてもわかるように、ほとんどの場合でSub-Commercialな経済的リスク・リターンになることはきれいごと抜きで考えておくべき。

 

And after all this? Enjoy and be proud of what you are doing

>意訳:せっかくやるなら楽しもうぜ!

 

当たり前といえばそれまでだけれど、インパクト業界で仕事していて思うのは、こうした「当たり前」がファンドの契約や組織の施策として一貫して反映されていないケースがほとんどということ。

一般投資家との差別化をうたいながら、裏側ではゴリゴリにコベナンツをつけてきたり、リターン期待値を北米VCとベンチマークしてきたり、Exit期間を最長5年しかなかったり、「成り立たないだろうな」という建付けがあまりに多い。

特に最近は国際機関からの数百・数千億単位での投資も増えて、毎年新しいファンドがローンチされているわけで、新しくファンドマネジャーとして旗揚げする元金融・開発プロフェッショナルの力量が大いに試されている。

その点、10年以上淡々と続いている本当のPatient Capitalistの役割は大きいし、彼らの率直な学びはもっと共有されてもいいんだと思う。