Zeitgeist

ケニアのスタートアップで企業参謀。留学した後の話。

Komaza 68週目:”Darkest Hour”

My title
金曜日の夜にAmazon Primeで映画”Darkest Hour”を観た。 
 
 
 
5年以上にわたる戦争の一番初めの1ヶ月余り、宥和政策に失敗しナチスの台頭を許したチェンバレンの失脚から、異端児として忌避されながらも首相に就任したチャーチルが有名な「血と汗と涙」演説をしてドイツとの全面対決に向かう、イギリス史の転換点に焦点を当てた作品。
演説の名手として知られ、迷いない言葉でイギリス国民を一つにまとめ上げたチャーチルが、まだ首相になったばかりで迷っていた時の葛藤が生々しく描かれている。
 
国王からも信頼されず、党内からも四面楚歌、自分の中でも海軍大臣として過去に失敗した作戦を思い起こして戸惑うチャーチルに、
 
"You are strong because you are inhearted, you are wise because you have doubts” (「思いやりがあるからこそ、強くなれるし、自分を疑っているからこそ、賢明な判断を下せる」)
 
と夫人が励ますシーンや、
 
”Nations that go down fighting rise again, but those who surrender tamely are finished”(「一度武器を取ってなお破れた国には未来があるが、なすすべなく降伏した国に再興の機会は訪れない」)
 
と国王に全面戦争を勧めるシーンなど、映像で観客を圧倒する「ダンケルク」とは対照的に、名セリフで心を掴む内容だった。
 
 
一番心に残ったのが、チャーチルが決心を固めて、”Lays of Ancient Rome"を引用したこの言葉。
 
"To every man upon this earth
Death cometh soon or late.
And how can man die better
Than facing fearful odds,
For the ashes of his fathers,
And the temples of his Gods”
(抄訳:生きとし生けるものすべてに、遅かれ早かれ死は訪れるという。
それならば、自分でも恐ろしくなるような挑戦に立ち向かう以上に、
意義のある死に方がどうしてあろうというのだろうか。)
 
 
ベンチャーは、人が死ぬことはほぼないけれど、自分の限界を超えてFearful Oddsに挑んでいくという点で強く共感した。大変な時に読み返したい言葉だと思う。
「ガンジー」や「Invictus」もそうだったけど、歴史上の人物の映画は、見る度に受けるメッセージが違うので、定期的に見返して内在化させていきたい。
 
---追記---
書こうか悩んでいたけれど、こういうことはきちんと残しておきたいと思う。
今週のナイロビでのテロは、日本の大企業や国際機関など多くの知り合いがいる場所で起きた。
Kilifiはナイロビからは数百キロの場所にあり、Komazaの同僚や家族は全員無事だったのは不幸中の幸い。
それでも21人の命が奪われ、大使館からは要警戒のメールが飛んできている。
業界という意味では、アフリカの農林業と零細農家の支援をしてきたGatsbyのDirectorや、新興国市場でも数少ない投資銀行・アドバイザリーをしていたI-Devの創業者も亡くなった。
被害者の方はもちろん、現場やナイロビにいる人たちの心中は計り知れない。
 
同時に、「明日は我が身」というか、見ず知らずの土地で仕事に没入していて、こいういう事態に巻き込まれる自分を想像してしまう。
先に引用したホラティウスの詩ではないけれど、悔いのない仕事をして、悔いのない一日を過ごしたい。