気候変動スタートアップ日記

ケニアのスタートアップで企業参謀をしていましたが、気候変動スタートアップを創業するためスタンフォードにいます。米ブラウン大→三菱商事→ケニア。

開発の世界への第一歩

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金融や農業の分野でたまたまご縁をいただき、ある国際機関のプロジェクトにオブザーバーとして参加している。

日曜日の夜の便で現地入り、月曜日から気付けばあっという間に木曜日になってしまった。

ビジネス・金融・先進国NPOぐらいしかリテラシーない自分が、開発本流のプロジェクトに関わるとあって、数週間レポートを読み漁ってきたが、不安で眠れない。

せっかくの経験なので、毎日感じたことを書き残しておこうと思う。

 

  • 月曜日:チームで合流、夕食がてらプロジェクトの概要についてチームリーダーから説明を受ける。 

 

  • 火曜日:チームで打ち合わせ、現地事務所に向かうも渋滞の恐れがあると言って、朝5時に出発。事務所のオフィサーから現地のプレーヤーについての情報を得つつ、プログラム全般についてブレスト、関係者のアポ入れを開始。たまたま時間が空いていた現地代表にも挨拶し、今後の流れについて合意。打ち合わせを兼ねた夕食で飲んだビールで疲れが出たのか早めにベットに入る。

 

  • 水曜日:政府機関との打ち合わせ、その後はチームでホテルに戻って論点整理。様々なボキャブラリーと略語の数々に翻弄され、自分が丸数週間かけて理解する内容を数時間でキャッチアップされる。金融という見方があるように、開発や環境、政策にも考え方のフレームワークがあるのだと痛感。3人いるチームでぶっちぎりの最年少、それどころか(専門知識という意味で)最低学歴なのが、辛い。必死に金融系のインセンティブやキャッシュフローを種にしてバリューを出そうと苦心しているが、どこまでAppreciateされているのかは不明。金融にしてもビジネスにしても、それなりに意義があり、ビジネスとしてmake senseすればいい、という世界観だったが、より大所高所から同時並行でいくつもの施策を並べながら考える行政の考え方は、全くの未知。議論が行ったり来たりして、気付けばチーム内でコンセンサスができるというプロセスについていけていない。深みのある問いやバリューのある情報を届けられるか、そもそもこの分野の「深み」や「バリュー」のツボさえも手探りで、ひたすら書類を読んでいく。

 

  • 木曜日:政府関連機関との打ち合わせ複数を間断なく続ける。政策に接点のある複数の省庁との調整が必要担っており、ピリピリする。政府間の縄張りの繊細な点については、事前に現地事務所の担当者やOBなどから情報収集で明らかにしており、それを元に、個別の機関の意見を聞き入れながらも、鮮やかな切り返しとチームワークで、国の政策としてどうあるべきかという高所の議論に持ち込み、最終的に当初想定していた案で合意を取ってしまった。緊張しすぎて、今回初めて会議で挨拶以外発言できなかった。いわゆる、Good Cop Bad Copに近い戦略を、冷静に実行する姿を見て、今回参加を勧めてくれた方から、「国際機関のプロの交渉術をよく見てくるように」と言われた真意が理解できた気がする。とはいえ、同僚からは来週の関係機関一同を集めたコンサルテーションが本当の正念場と言われているので、早くも恐ろしい。その後のテクニカルな議論は、統計や金融とも近い分野であったこともあり、比較的スムーズ。せめてアジェンダだけでも整理しようとすると、焦らなくていいというフィードバックが返ってきた。仮説ベースで施策を考えるというのでは、ダメらしい。多くのステークホルダーがいる中で、多面的な視点を持ちながら、環境のダイナミズムを把握し、同時に既存事例などを踏まえて考えられうる施策を整理していき、整理しながらそれを関係者間のコンセンサスにしていくという日本企業の社内調整よりもさらに洗練された「調整」が行われていくのがこのプロセスなのだろうか?わからないことだらけでパニックになりそうだけれど、自分の専門性を足がかりに、落ち着いた目でチームに貢献できる部分がないか考えてみねば。

 

 

 

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