Zeitgeist

留学した後の話。

“Private Capital, Public Good”

ソーシャルアントレプレナーシップとはあまり関係ない投稿が続いてしまったので、今週はImpact Investing をテーマに、連載を続けてみる。

 

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先週の水曜日のこと、アショカでインターンしているMBA生と職員として働いている弁護士と3人で、“Private Capital, Public Good”というテーマのイベントに参加してきた。

ホワイトハウスからわずか数ブロックほどのベンチャーキャピタルで開かれたイベントに登壇したのは、Impact Investingの旗手たち、政策スペシャリスト、投資銀行のマネージングディレクターを務めたバンカーなどこの分野のスーパープレイヤーたち。

ちなみに、この集まりは単なる勉強会ではなく、Impact Investingを推進するために必要な法改正を求める決起イベント的な意味合いもあったようで、Wall Street Journalによるメディア中継が行われ、会場にも下院議員や投資家がどっと押し寄せる大盛会となった。

(実際のプレゼン内容はこちらから!)

 

内容はというと、ワインや軽食を片手に社交合戦が繰り広げられ、パネルも本質的な議論というよりは政治的なアピールが先行した印象があり、一緒に来たメンバーは残念がっていたが、僕自身は、Impact Investingがアメリカの議会政治の論点に上がるほど注目されているという事実に素直に感銘を受けた

このテーマは、政治という究極のメインストリームを動かすほど、多くの人を惹き付けている。(i.e.意志とお金と権力が動いている

というわけで、ソーシャルファイナンスを勉強するにはうってつけ、将来性抜群のこのテーマから連載を始めよう!

で、そもそもこのImpact Investingって何だっけ?

 

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Impact Investingとは?

 

先ほどから何度も繰り返しているこの言葉、一体何のことなのだろう?

(僕の知る限り)世界のImpact Investing界のドンであるGIINのホームページによると、

 

「Impact Investingとは社会問題や環境問題の解決と経済的なリターンを目的として、企業や、団体、ファンドに対して行われる投資である」

 

とあるように、投資のリターンでお金儲けしながら社会問題も解決しよう!という新しい投資スタイルを指す。

また、一口にImpact Investingといっても、自由度は高く「投資先は先進国でも途上国でも良く、要求するリターンは市場価格同等でも以下でも良い」とされている。

 

社会問題の解決にお金が必要なら、貸し手が損しない程度で貸してあげます、というこのムーブメントは、アショカをはじめソーシャルアントレプレナーシップの世界を語る上で非常に大きな意味を持つ。

なぜなら、社会起業家が増えても、その立ち上げや拡大にかかる資本がなければ、実際の問題解決はできず、単なる見せかけだけの絵に描いた餅だからだ。

シリコンバレーにあまたのベンチャーキャピタルがあるように、株式市場や金融機関が企業の株と引き換えに事業資金を提供しているように、ソーシャルアントレプレナーもこうした資金的後ろ盾なしに事業は興せない。

いまImpact Investingを巡って繰り広げられる議論のほとんどが、こうした事業成長のための基本的なインフラを整備するにはどうするかに費やされている裏側には、この新しい分野の成長を支えるだけのエコシステムを一日も早く完成させねばという危機感があるのかもしれない。

 

明日は、なぜこの話がアメリカの議会政治にまで関わってくるのか、そして「ソーシャルファイナンス」に携わるアクターの多様性について論じたい。

 

To be continued...