ケニアスタートアップ日記

ケニアのスタートアップで企業参謀。米ブラウン大→三菱商事→ケニア。。

社会起業

Komaza 106・107週目:新興国スタートアップの評価軸

先週・今週とあまり本業で話せる内容がないので、新興国スタートアップを評価するうえで、考えるべき論点について述べてみたい。 一般的なビジネスDDについては専門書がたくさん出ているので、そういう本に書いてあるBox Tickingな要素をいったん忘れて、ケ…

Komaza 105週目:動いてもらうためのコミュニケーション術

総合商社にいた時も、今の会社でも、社内外との調整が多い役回りをしている。 毎日のようにお願いごとをしないといけない環境にいて、コミュニケーションの温度感を見ながら、想像力を駆使してやりとりする中で、うまくいくときのコツのようなものも見えてき…

Komaza 104週目:ケニア3年目に突入

丸の内の高層ビルでの仕事を離れて、ケニアのド田舎で仕事を始めて今週で丸2年がたった。 ポジションがないフェローからCEOに自分のピッチをするところから始めて、チームを作り、東アフリカのスタートアップとしては珍しい投資銀行やPE出身者で固めたチーム…

ハンズオンへのアプローチ

新興国に限らず、なんだかプロジェクトがうまくいっていない場合に、自分で泥をかぶって手を動かして解決する場面はよくある。 状況を判断し、短い時間でどこにどう介入するかを理解する必要がある。 もちろん、理想的にはその状況をよく理解している人に話…

いつ起業すべきなのか?

「いかに自分の市場価値を最大化できるか」という問いが、好景気を背景にした転職ブームもあってかあふれている。 いかに自分にユニークな価値をつけて、市場価値のある人材になれるかが強調され、独立しろとか副業しろとか起業しろとか、煽られまくるのが、…

Komaza 95週目:28歳になる

親とSkypeしていた時に、「仕事もうまくいって、成果も上がって、評価もされて、成長の実感もあって、いいじゃないか」と言われた。 素振りばかりしていた前職の痛みは和らいだとはいえ、もはや成長の実感のためには仕事ができないと思うようになってきた。 …

Komaza 86・87週目:アフリカxインパクト投資業界の課題とアプローチ

ブログで愚痴を書くのは、現実世界と文章の上の二重に疲れるので、基本的にやらないことにしている。 ただ、少なからず”What a misery!”とか”This is a f*cking sh*t show!"とか"Go f**k yourself"とか叫びそうになり(というか叫んでしまっている)ながらや…

Komaza 85週目:芸風について

TokyoSwingさんのブログがかなり刺激的だったので、感想と合わせてブログを書いてみた。 www.tokyo-harbor.com 以前のスキル偏重、Box Tickingなキャリア観(通称「スキル君」)批判に続き、スキルの対立概念として「芸風」を掲げる。 コモディティ的エリー…

Komaza 82週目:韓非子が描く、参謀の心構え

臣聞く、知らずして言うは不智、知りて言わざるは不忠、と。 人の臣と為りて不忠なるは死に当たり、言いて当たらざるも亦た死に当たる。 然りと雖も、臣願わくは悉く聞くところを言わん。唯だ大王其の罪を裁せよ。 冒頭に紹介したのは韓非子の出だしで、知を…

Sankalp Africa 2019

先々週の水曜日、ナイロビで開かれたアフリカ・ベンチャーのカンファレンス、Sankalp Forumに行ってきた。 主催者はAavishkaarというインドのVCで、ソーシャル・インパクトの高いビジネスに限って投資しながら30%超のリターンを生んだ伝説的なファンドだ。 …

Komaza 73-74週目:日経SDGsフォーラム登壇で日本デビュー

怒涛の二週間をまとめて振り返る。 完全に言い訳ですが、時差ボケと仕事で余裕なく、しかもきちんと書きたかったので、まとめて更新です。 2/18-2/24:Kilifi→Nairobi→Japan 月曜日・火曜日はKilifiで新しいプロジェクトの立ち上げ、水曜日からはナイロビ出…

Komaza 72週目:炎上案件を楽しむ

炎上案件は、最高だと思う。 スリルやプレッシャーもさることながら、ソフト・ハードの技術を駆使しながら、最短で制約を乗り越える訓練として、ベストだからだ。 つい最近も別の部門のプロジェクトの緊急支援要請が来て(もちろん、定常業務の上に乗っかる…

宇沢弘文「社会的共通資本」

この本は、日本の冠たる経済学者、宇沢弘文が提唱した社会的共通資本に関する論文をまとめ、編集したもので、経済学の世界におけるコモンズの位置付けに始まり、交通、自然、教育、医療に至るあらゆる社会的共通資本について考察した意欲的な一冊。 岩波新書…

Komaza 70週目:Hard Things対処法

新興国xスタートアップあるあるでも書いた通り、大企業を離れての仕事は「そんなことある!?」という出来事の繰り返しで、気力と体力を切らさないように知力を尽くすプロセスだと思う。 幸か不幸か僕自身はまだまだ死なない程度のHard Thingsしか経験でき…

Komaza 69週目:ソーシャルセクター必読ブログリスト

学生時代からブログを始めて、気がつくともう8年目になる。 書く方については人生のフェーズや仕事の忙しさによって波はあったけれど、読む方は一貫して大好きで、10年近く続くブログであっても、大好きな作家の全集を読むような気持ちで完読することもある…

2019年「証明の年」から「実行の年」へ

昨年のブログでは、2018年を「証明の年」と位置付け、「準備」を開花させることを掲げていました。 実際この1年間は、紛れもなく証明することを毎日求められた年でした。 仕事に慣れて、評価もある程度確定した安住の地を離れて、縁故の全くない場所でゼロ…

Komaza 32週目: 起業家に寄り添うプロフェッショナルとは

仕事が延々に終わらない中で書いているので、今週は少し短めです。 スタートアップで、特に林業や農業のように時間がかかり、自然条件にも左右される事業を見ていると、あまりに課題やリスクが多くて、圧倒されそうになることがある。 ファイナンス自体は、…

「一人一業」

我が家には家訓というか、個々人が自由に生きる上での指針となるコア・コンピタンシーみたいなものがある。 直近であれば”Learn or Die”(学ぶか死ぬか)だとか、「信用」だとか、「本質」だとかが、価値観を示す共通言語体系になっているのだけれど、ただひと…

開発の世界への第一歩(終)

すっかり間が空いてしまったものの、ようやくプロジェクトがほぼ完結したので、その後の経過をご報告。 前回と前々回の投稿も参考まで。 ・木・金:水曜日のコンサルテーションが無事終了したことを受けて、残りの論点を潰しにかかる。追加のレポート読み込…

開発の世界への第一歩(続)

前回の記事の続編。ようやく本番の会議もひと段落ついたので、 振り返り。 金曜日:引き続き、開発銀行・ファンド、政府機関との面談。同国の政策と主要なプログラムについては把握できつつある。行き先機関のプログラムは予習するようにしているが、1−2年が…

開発の世界への第一歩

金融や農業の分野でたまたまご縁をいただき、ある国際機関のプロジェクトにオブザーバーとして参加している。 日曜日の夜の便で現地入り、月曜日から気付けばあっという間に木曜日になってしまった。 ビジネス・金融・先進国NPOぐらいしかリテラシーない自分…

プロボノを引き受ける時に考えるべきこと

先日、Intelligenceが運営する大手転職サイトのDODAが主催する、ソーシャルセクターの転職・プロボノセミナーに参加してきた。 ついつい人助けをしたいという「善意」が先行しがちで、なおかつ本業との兼ね合いから実行が甘くなるリスクを抱えるプロボノを、…

アショカの成り立ちから自己変革まで

前回の記事に引き続き、Bill Carterの講演会の内容を共有したい。 社会起業としてのアショカがいかに世界の未来を変え、そして同時に自分たちが作り上げた変化の波に自分たちの組織と戦略の適応させてきたか。 アショカが一般的なアドボカシー団体と違ってい…

アショカ・フェローの選抜インタビュー

しばらく前の話なのだけれど、社会起業という言葉の歴史を知りたい人には興味を持ってもらえそうなので、アショカの「もう一人のビル("the other Bill")」ことBill Carter氏のイベントに行ったときの話を書きたい。 アショカの創業者のビル・ドレイトンは有…

農業分野で活躍する社会起業家:One Acre Fund

仕事で農業に関わる機会があったので、アグテック(農業Xテクノロジー)分野で活躍している事業をひたすら見ていて、面白いソーシャル・アントレプレナーを見つけたので紹介したい。 このTEDのスピーカーのAndrew Younは2006年にOne Acre FundというNPOをケニ…

社会事業がロジックモデルを使う意味

内閣府が主催している社会的インパクト評価イニシアチブの評価者育成プログラムに支援者として参加して、ロジックモデルについて勉強してきたので、感想を簡単にシェアしたい。 ※1:このプログラムの参加者は公募で選ばれた全国のNPO、財団、CSR関係者、企…

ノーベル賞受賞者の発表について

ノーベル医学・生理学賞を受賞した東京工業大学栄誉教授の大隅良典の会見が話題になっていたようなので、印象的だったコメントを引用してみる。 ちなみに、個人的にはブラウン大学の Michael Kosterlitz教授が物理学賞を受賞しているのが胸アツで、同じく物…

執筆者として自らに問うこと

週末にPCデータ整理をしていたら、ちょうど2年前に卒論を書いていたときのメモが出てきた。 研究の道へは進まなかったけれど、当時300ページ近い論文を書きながら学んだことは、仕事の上でも大事だと実感することが何度もあった。 論文の価値は自分の価値で…

リーダーシップとアントレプレナーシップ

リーダーシップとアントレプレナーシップは違うということをふと感じる。 アントレプレナーは自分の興味・必要に突き動かされてゼロから何かを作り上げる人。 リーダーは(アントレプレナーがリーダーになることは多々あるものの)必ずしもゼロから作る人で…

混在するアイデンティティ

今日は会社の仕事として日本のマイクロファイナンスの第一人者の方にお会いする機会があって、ホクホクしていたのだが、ふと思いついた質問が収奪型資本主義ではないかとの指摘を受けて、少なからず衝撃を受けている。 昨日の記事に引き続き、今日も社会事業…